BLOG 日記

決断

11月中、発表会や保育園申し込み準備と同時進行で悩んでいたことがありました。
来年3月5日、ヘレスのフェスティバルで開催される、ガラコンサートへの出演についてです。
連絡を頂いたのは、トリノ国際フラメンココンクール事務局からでした。
私は2015年、イタリア・トリノで行われた国際フラメンココンクールで優勝させて頂いたのですが、今回、その事務局とヘレスのフェスティバル事務局の共同運営で、2015年~2017年のコンクール受賞者のガラコンサートをフェスティバル中、サラコンパニア劇場にて開催する、というとても素敵な企画でした。
毎年フェスティバルデヘレスには足を運んでいるので、いつもなら二つ返事でOK!なのですが、時期的に出産という人生初の大仕事を前に、どうなるのか、どうしたら良いのか、、出演同意書にサイン出来ない日々が続いていました。
産科の先生方始め、マタニティトレーナーの先生、出産経験のある踊り手の方々にも沢山相談にのって頂き、、
いろんな話を聞いた上で、最終的には自分自身で答えを出さなくてはならない事が良く分かりました。
私が最終的に出した答えは、
今回は渡航・出演しない、
という決断でした。
決め手となったのが、マタニティトレーナーの先生の言葉です。
「この子が大きくなった時、
“あなたのせいで、私は大事な舞台を逃した”
と思ってしまう様なら、踊れるコンディションになかったとしても、行ってしまいなさい!」
この言葉を聞いた時、そんなこと、1ミリも思わない、と、スッと胸が晴れ渡りました。
この子は、私を選んで、私の元にやって来てくれた大事な命。
辛いトレーニングに堪える体力と精神力は持っているつもりですが、我が子が私を必要としてくれる今というかけがえのない時間は、何にも代えることが出来ない、と感じたからです。
後日、アデラに会った時、2児の母である彼女にこの話しをしました。妊娠中でも産後でも、大舞台をこなし続ける、肉体的にも精神的にも鉄のように強い彼女。でも彼女の返答は、
“生後2カ月前後の赤ちゃんにママは必要。母乳なら絶対的に。私は近隣での活動から再開したから、腰や骨盤の痛みに耐えながらもどうにかやったけど、赤ちゃんと離れて、渡航して、コンディションを整えてというのは、、かなり難しい。。
ゆかり、赤ちゃんは、あなたにとってどんな踊り手よりも素晴らしい最高のマエストロよ、あなたに色んな事を教えてくれる。焦って何かするより、落ち着いて赤ちゃんと向き合った方が、母子共にいいわ。”
完璧な鉄人と思っていた彼女からの、踊り手ママとしての温かい言葉。
この決断に合っているも間違っているもないのかもしれませんが、私自身納得して、いつ始まるか分からない出産の日に対して、落ち着いたのと同時に、それが楽しみでワクワクするものに変わったことは、間違いありません。
踊っていくことは、そのまま生きていくこと。
ストイックな無理くり人生も大好きなのですが、自分自身に素直になることが、1番!と感じられた今日この頃です。
早速、これがマエストロ我が子からの教えなのかもしれませんね。。



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