BLOG 日記

表現の幅。

月曜日の月島スペインクラブで共演していただいた、山崎まさしさんのギターの音が、ふとした瞬間に蘇ります。
先日の渡航中セビージャで過ごした、ある日の会話を思い出しました。
踊り手の友達2人とギターリストと、休日ランチの後、アラメダでアイスクリームを食べながら、フラメンコについてあれやこれやと話していた時のこと。
ちょうどエバ・ジェルバブエナの短期講習が終わったばかりで、そのレッスン内容についての話しが飛び交い、、(このレッスンにいついては、内容やシステムについて、いろんな話を周りから聞きました…)
そんな中で、ひとつ興味深い話しが沸き上がりました。
エバのレッスンの中で、老婆のようなマルカヘ、そして対照的に青年のようなマルカヘをやる課題があったそうです。
特に、その老婆のようなマルカヘは、受講生誰一人として出来なかったそうです。
もちろん、エバはそれをやって見せたそうです。
経験がないもの、特に、時間という成熟が生み出すものを表現するということは、どんなに難しいことか、、
表現の深さに感動するのと同時に、その幅の広さや難しいさに圧倒された話しでした。
それを聞いていたギターリストが、ギターの音にも、そういうものがある、と言い出しました。
繊細なテクニカで圧倒する人もいれば、歌い上げるメロディーが素敵な人もいる、でも凄い!と思ったのは、始めの、たった1和音、ローン、、、と弾いただけで、まるで何もかも知りえた老人のように、深く響くギターリストがいた、たった1和音だけなのに。。
その音を想像するだけでゾグゾク、ドキドキしました、、
そして、そんな1和音を持っている日本人ギターリストの1人が、山崎まさしさんです。
この、深さや言葉にならない音の響き、、
いつかこの音に見合った表現者になりたい、と思いながら、蘇る音の余韻を聴いています。



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